第3章 条件
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彼が部屋に戻ると、そこには2枚の布団が敷かれておりうち1枚には同室であるタカ丸が寝息を立てて眠っていた。
彼が寝ているのを確認したあと、彼は自前の忍者装束を脱いだ。
脱いだ忍者装束の下には、胴体をきつく包帯で巻かれた女の身体が現れた。その身体は女性らしい白く細いがどこか筋肉のついた均整のとれた形をしているが、一方で女性とは思えない切り傷や刺し傷がたくさんついていた。
彼・・・いや、彼女はその包帯をゆっくりとほどき事前に用意していた濡れタオルで身体を拭いた。
さっきタカ丸と風呂に入ったと言っていたが、彼は湯気を使って見られないようにしながらかタカ丸の目を欺いて女だとバレなかったのだ。
身体を拭き終えた後は新しい包帯で再び胴体を巻き始めた。
巻いていないと、彼女の身体が分かりやすく表れてしまうからだ。
包帯を巻き終えて、寝巻を纏い彼女はようやく床についた
あくまで寝ているわけではないが、目を閉じて少しだけ休むことにした。
彼女は寝るふりをしながら考えていたのだ。
明日からの暗殺を、どう遂行していこうかと・・・。