第3章 条件
「よし、これにて解散!!んじゃ、わしは寝る…」
と、学園長は早々に部屋に戻っていってしまった。残された生徒と教師たちはポカンとしたままだった。
ゴホン…と冷静になった山田伝蔵が咳ばらいをし生徒達に告げる
「まぁ、こうなってしまった以上各々気をつけて過ごすように。そして…由利若月。学園長のお許しがあるとはいえ他の生徒には手出しはするな。その時は、我々が全力で相手をする。」
『もちろんそのつもりです。ここにいるために必要なことならば。だから、いい加減離してもらえます?』
彼は、腕を抑えている2人を睨んだ。
2人はお互いの顔を見合わせてゆっくり腕から手を離した。
彼は腕を回したり伸びをしたりしてから、今度はその場にいる生徒達の顔を見た。
『…じゃあ今後ともよろしくお願いしますね先輩方。では、おやすみなさい』
「余裕ぶってんじゃねえよ、小娘」
『…。』
「よせ文次郎。学園長に言われただろ。女であることは悟られるなと。堪えろ、これは任務だ。」
「ちっ…。」
潮江文次郎は立花仙蔵に諭されるがやはり納得はしていなかった。彼はそんな彼らを横目に黙って部屋に戻ろうとした
そして彼女の背中を全員が睨んでいる。
ただ久々知兵助だけは彼の後を追って行ってしまった。
「あ、兵助!」
「…あいつ、変なこと考えてるんじゃないだろうな」
「おぉ、そうじゃった。お前達にもう一つ指令だ」
彼を追って行ってしまった久々知兵助にみんなが不審がっていた時寝たはずの学園長がまた起きてきた。
「お前達、あやつには優しくな。」
という、また学園長の突拍子のない言葉に生徒達全員があきれ返っていた。怒りをあらわにする潮江文次郎や食満留三郎を黙らせて一番冷静な立花仙蔵が学園長に尋ねた。