第3章 条件
「5年生、6年生諸君。諸君らには由利若月が1日1回行うであろう暗殺を下級生達に悟られないように阻止することを命ずる。」
学園長が言うには、彼とここにいる5・6年生及び教師陣は他の生徒達に彼が暗殺者及び女であることを悟られずに生活を送り、彼は暗殺を遂行・それ以外の者は暗殺を阻止するという日常を実技に応用するように命じたのだ。
「上級生…特に6年生は日常の中に潜む敵や任務を一般人に悟られないように排除・遂行することを求められる場合も今後増えてくるであろう。その実技訓練を日常的に送れる。由利若月は自身に課せられた任務を堂々と遂行できる…どちらにとっても損はなかろう!」
「ですが…さすがに学園内では…」
『分かった。その条件飲もう』
教師陣が学園長を説得にかかろうとするが、当の本人は意外にケロッとしていた。というのも・・・
『今晩は、油断したせいで捕まったがここにいる奴らの腕ならば暗殺は容易い。そんな好条件ならばここにいさせてもらう』
その一言に、彼の周りにいた上級生達はさすがに全員カチンッ!と来ていた。
「ほぉ、面白ぇ…。そんなに俺達と喧嘩がしたいのか暗殺女」
「おっ!?戦いなら受けて立つぞ!!どんどーん!!」
「…アハハ!面白そうだ」
「勝負事なら負けねえぞ!!」
「たかが暗殺者の娘に見下されては、最上級生として示しがつかないな」
「は…ハックション!!」
潮江文次郎・七松小平太・中在家長治・食満留三郎は分かりやすくウキウキしているように見てた。立花仙蔵は少し怒っている様子で善法寺伊作は…保健委員なのに風邪をひきそうになっていた。
「えっと…俺達、巻き込まれた…?」
「みたい…だな」
「だって…でも、相手は女の子…でも、暗殺者だから…」
「雷蔵…少し落ち着け…」
「・・・。」
5年生達は、あまり彼と関わっていなかったせいでどうも状況が読み込めないようで困惑していた。ただ久々知兵助は何か不安そうな顔をしていた