第3章 条件
学園長の一言に、彼の周りにいる5・6年生は「はぁ!?」と全員が声を揃えて叫び、教師陣は全員吹っ飛ぶ勢いでズッコケていた。
「また始まった…」
「学園長の思い付き…」
ズッコケた教師陣の中で最初に口を開いたのは山田伝蔵と土井半助だった。
「学園長!?今回ばかりはお戯れが過ぎますよ!!」
「そうですよ相手は暗殺者…しかもご自身を狙った相手ですぞ!!」
「構わんわ。それにただ無条件というわけではない」
と、ニコニコしながら学園長は彼に話しかけた。
「由利若月。先ほどの5・6年生を相手取った戦い方は敵ながらあっぱれじゃった。その才を手放すのは実に惜しい事。そこで、お前にはこの忍術学園に残り暗殺ではない正しい忍術を改めて学ぶのじゃ。」
『…正しい忍術なんて、オレには必要ない。』
「今はそうじゃろう。だからこの学園に残りそれを知り学ぶのじゃ。それにこの学園に残ればお前にとっても損はないじゃろう。」
『…どういうことだ』
「この学園に居る間は、1日1回わしの暗殺を許可する!!」
と、これまたぶっとんだ提案をしてきたため再び教師陣は吹っ飛ぶ勢いでズッコケた。
「学園長!!なぜそんな提案を!!」
「何、そのためにこの話を5・6年生のいる前でしておるのじゃ!」
と、今度はニコニコしながら彼の周りを囲んでいる5・6年生を見回して言う。