第20章 最終章 未来
「…由利和歌菜。お主がこやつらを思うように、こやつらもお主を思っておるのじゃ。女だから…いや、仲間だからじゃ。それをお前は、自らを押し殺しこいつらを見捨てようというのか?…もう一度問うぞ。この退学届けは本心か?」
学園長は、そう言って彼女の前に彼女が渡した退学届を差し出してきた。
彼女はまた少し考えたが、彼女の周りにいる4年生達の顔を見る。
『滝夜叉丸、三木ヱ門、喜八郎、タカ丸さん、守一郎…。』
「…和歌菜。」
全員の名前を呼ぶと、みんな揃って彼女にそっと笑いかける。
タカ丸は彼女の言葉に答えるようにそっと彼女の名前を呼ぶ
『…ッ、…ぅ…グス……。』
声を押し殺しながらなく彼女をタカ丸はまたそっと抱きしめる。すると、彼女は小さく言葉を並べ始めた。
『…ッう、うぅ…あ、あたし…、…に、…たい』
「ん?なぁに?」
『うぐ…うぇ、ここに…いたいよぉ…。みんながいる、ここに…。ッでも…あたし、は…』
「…そうじゃ!!!思いついたぞーー!!!!」
と、突然大泣きする彼女を無視するように学園長が叫んだ。
4年生達はその言葉で何か嫌な予感がした。
「由利和歌菜。お前は今日をもってこの学園を退学じゃ!!!」
と、4年生達の前で堂々宣言したが、その言葉に4年生達は全員驚愕した。
「が…学園長!?」
「さっきまでのあの空気は何だったんですか!?」
「和歌菜は絶対に追い出させない!!」
と全員が口々に学園長に対し暴言を吐いていくが、学園長はなおもニコニコと笑っていた。そしてさらに言葉をつづけた。
「そして・・・忍術学園学園長の権限の元、お主は新たに《若月和歌菜》と名を変えて女子生徒としてこの学園に編入することを許可する!!!」