第20章 最終章 未来
「ほら、やっぱりね。君なら絶対僕らに黙って出て行こうとすると思ったよ。」
「和歌菜~!!貴様!私との約束を忘れたわけではあるまいな!!この私に勝ったまま逃げ出そうなんて許さんと!この私がお前に勝つまで絶対にこの学園からは出さんと!!」
「私も!!学園のアイドルをかけた勝負がまだ終わってないだろうが!!」
と、喜八郎が呆れ顔で彼女を見ていて滝夜叉丸と三木ヱ門が彼女に朝っぱらから怒鳴り散らし始めた。守一郎に至っては・・・
「うぅ…和歌菜…俺は、お前と友達だと思ってたのに…なんで勝手に出て行こうとするんだーー!!」
と、大泣きする始末だ。
4人が口々に彼女に対して言いたい放題している中で1人タカ丸だけはじっと彼女を見つめているだけだった。
「和歌菜…。」
小さくつぶやいたタカ丸だったが、そこ声にはすごい圧が乗っているように聞こえて大声をあげている4人も大人しくなってそちらを向いた。
するとタカ丸は彼女に近づいて騒いでいた4人の間を通り抜けて彼女の前に立った。
すると今まで彼女に対しては優しすぎるくらいだったタカ丸が、いきなり彼女に頬をパンッ!と叩いたのだった。
突然のことに彼女はもちろん4人もとても驚いていた。
だが、タカ丸は叩かれた左の頬を押さえている彼女をグッと抱き寄せてまた思い切り抱きしめた。
「た…タカ丸さ…」
「いい加減にしろよ!!いつになったら俺達を信用してくれるんだよ!!!」
タカ丸の口からは聞いたことのないくらいの大きな声が出てきたが、その声は少し揺れているように聞こえた。