• テキストサイズ

陰陽の集い 《忍たま乱太郎》 ※移行中

第19章 襲撃




「和歌菜…。それは?」


彼女の手の中にある簪を見たタカ丸が彼女に問いかける。
手の中の簪は、みな同じ百合の飾りとそれぞれに異なる花があしらってある簪だった。


『…この簪は、由利の一族である証明なんだ。…桜姉さん、椿姉さん、霞姉さん、楓姉さん、紫姉さん…。今まで苦しめてごめん…』


そういうと、彼女は自分の懐からもう1つ簪を取り出してそれを地面に置いた。全部で6本の簪をまとめ彼女は自分の武器である鉄扇を開かずに閉じたままの状態で簪の上に突き刺すように振り下ろした。6本の簪は降ろされた鉄の扇によってすべて粉々に砕けた。


『…ふぅ。終わったよ、ごめんね…大婆ちゃん』


と、天を仰いで静かに涙を流す彼女を再び喜八郎が抱きしめる。それを見て、緊張が解けたのか、5年生や6年生が一斉に話し始めた。


「はぁー!!なんだよ、若月には劣ると思ってたのによぉー!!意外と手こずったじゃねえか!!」

「…モソ。不思議な毒使いだった」

「文次郎に至っては、このオバサンの誘惑に負けて危うく死にかけてたしな~」

「負けてねえ!!俺は敵を油断させるために!!」

「というかお前達、何由利に毒盛られて逃げられているのだ?」

「いや…思わず…」

「というか、一緒だった伊作はどこ行ったんだ?」

「伊作先輩は…」

「綾部が部屋の前に掘ってあったかなり深い落とし穴にはまってて…俺達急いで行かないと思ってまだ助けてないです…」


七松と中在家が女の文句を言い、食満と潮江がお互いの事を罵りあい彼女を守れと言われていたのにあっさり毒針に負けた5年生に説教をするが、5年生の竹谷八左ヱ門の言葉に飽きれながら穴に落ちたという善法寺を助けに向かった。


彼女は、少し落ち着いたようで4年生達から離れて5年生6年生の元へ行った。
上級生達はそんな彼女の様子を見て、少し静かになった。



/ 196ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp