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陰陽の集い 《忍たま乱太郎》 ※移行中

第19章 襲撃




「ふ…ふざけんな!!なんで、いつもあんたばっかり!!!」


女は彼女に掴みかからんばかりの勢いで立ち上がり、彼女に向かって叫んだ。


「私達は、ずっと苦しかった。一族の掟に従って毒を飲み続けた!!なのに…お父さんもお母さんも、身体の弱いくせに暗殺の才能があるあんたばっかり可愛がって…。大婆様だってあたし達のことは見ないくせにあんたばっかり…!!オバサンだって、あたしたちの事は金づるとしか見てない…。

どうしてあんたなのよ…。なんでいつも愛されるのはあんたなのよ!!!人殺しのくせに!!!あたし達よりもたくさんの人間を殺した犯罪者のくせに!!!

だから、大婆様とお母さんたちが死んだ後は叔母さんと同じようにお前を憎んで虐げてきたのに…結局あんたは…」


女の泣きながら叫ぶ言葉に、生徒達は今までの彼女の行動に納得がいった。幼い頃から才能があり、誰からも愛される資質のあった彼女に姉妹達の方が嫉妬していたのだと。

そんな姉達の言葉を受けていた彼女だから、自分には殺ししか価値がないと錯覚していたのだと・・・


『…そうだね、あたしには殺ししかできない。でも姉さん達も…大婆ちゃんの言うことを聞かず一族の家業である暗殺を拒んだ。その結果がこれでしょ。今回だって、女という武器だけでここまで来たかもしれないけど、それにも限界がある。だかた行き詰ってあたしに止められた。…違う?』

「…うるさい!!!お前は由利の人間じゃない!!」

『うん…だから、姉さんを殺せば…由利の一族は終わる。あたしが終わらせる。』

「……ぁ、や…」

『…楓姉さん。』


彼女はゆっくりとそう言いながら、持っていた針を女の方に向けた。女は怯えて後退りをしたが、さらに彼女が近づいていく。

彼女は、女に向けていた針を振り上げた。
女は怯えて顔を隠す・・・が、シュッ!という鋭い音が聞こえたと思ったら、女には針が当たっていなかった。
女の手のすぐ脇の地面に針が刺さっていたのだ。


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