第19章 襲撃
「大丈夫ですか!?七松先輩、中在家先輩!タカ丸さん!!さぁ、善法寺先輩からいただいた解毒剤です!」
「ゲホッ!!あ、あぁ…すまない!!」
守一郎はいち早く6年生に解毒剤を渡し、すぐに一番弱っているタカ丸に解毒剤を渡した。
立花達3人は、学園長の部屋の屋根の上に隠れていたため毒の空気を吸わずにすんでいたのだ。
「さぁ、これ以上危害を加えられたくなければさっさと学園から立ち去れ。」
「…フフ、貴方綺麗な顔をしているのにひどいこと言うのね。でも、そう簡単には帰れないのよ!」
というと、女はさっき歩いてきた廊下の方を見た
するとそこには、また別の女が立っておりその手にはぐったりとしている滝夜叉丸がいた。
「滝夜叉丸!!」
「ぐっ…す、すみません…」
「この子、部屋の裏手で見張りをしていたのよね。少しおだてたら簡単に堕ちてくれたわ。私こういう単純な子、大好きよ」
という女の手には簪がありそれを滝夜叉丸の首元に宛がっていた。すぐに七松が滝夜叉丸を抱えている女に接近しようとしたが、「動かないで!」ともう1人の女が制止する。
「紫が持っている簪には毒が塗ってあるのよ。身体どこに刺さっても命はない!」
「…さぁ、大川平次渦正はどこにいるの?」
滝夜叉丸を抱えている女も、生徒達が手も足も出ないと分かると大声を出す。
生徒達は皆周りを見渡した。4年生はやはり毒の周りなどを感じることができないようで皆足ものがフラフラしているようだった。
そして6年生達も、滝夜叉丸が人質に取られてしまっていることで迂闊に手が出せなくなってしまった。
学園長を呼んでくるわけにもいかずに・・・ただ途方に暮れてしまっていた。
「それにしても、心底興ざめだわ」
突然滝夜叉丸を抱えていない女の方が、生徒達を見下すように見て口を開いた。