第18章 作戦
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保健室に戻ってきた4年生達は神妙な面持ちで彼を見た。
彼は善法寺が持ってきた花瓶に1年生からもらった百合の花を入れていた。
「ねぇ、君のお姉さん達ってどんな人たち?」
『えっ?』
「君のお姉さん達が君の代わりに暗殺に来るんでしょ?特徴とか教えてくれない?」
先に言葉を発したのは、タカ丸だった。
いつもの笑顔とは違い少し真面目な顔のタカ丸に彼女は、うなずくしかなかった。
『うん…。まずオレの…いや、あたしの姉さん達は全部で5人いた。タソガレドキに殺された桜姉さんと椿姉さん。そして、霞姉さん・楓姉さん・紫姉さんの3人を合わせた5人の姉。』
彼女はゆっくりと姉について話し始めた。
6人姉妹の母親は彼女が2歳の時に病気で他界し、それ以降彼女自身は暗殺業を本分としている曾祖母が、5人の姉達は小さい頃から殺しではなく叔母であるあの女によって男の落とし方を習っていた。
姉達は、殺しを本分にするのはおかしいとずっと言っていたため叔母側についていたが、長女と次女である桜と椿は多少は曾祖母に暗殺を習っていたため彼女の事を案じていたのだ。
しかし、叔母の策略で彼女がタソガレドキに連れて行かれて、学園長の暗殺を命じられて・・・
『それ以降は、姉達の事はよく知らない。桜姉さんと椿姉さんの事も叔母に聞くまでは知らなかったし…』
彼女がゆっくり話していくことを4年生達は何も言わずに聞いていた。そして、そこまで言い終わった彼女に喜八郎が質問をした。