第18章 作戦
「いいかお前達」
学園長の部屋を出た上級生達を代表して立花仙蔵が全員に声をかける。
「敵はいつ襲撃してくるか分からない。4年生は襲撃までは由利から離れるな。5年・6年は注意を怠らないように。いいな」
と、立花の言葉に全員がうなずく中喜八郎だけはその言葉を聞く前に彼の元へと向かった。
それに続くように4年生達が喜八郎の後を追って行く。
残された5年生と6年生は、4年生の背中に少しの頼もしさと幼さを感じていた。
「なんだか、ムキになってる気がするな。綾部の奴」
「いや、4年生全員だろう。」
「そりゃそうだろ、彼女を苦しめている根源をようやく叩けるんだからな。」
「それでも、無茶をしなければいいがな」
「全く、上級生とはいえまだ子供っぽいな」
5年生・6年生がそう言っていると、今度は善法寺が正面からやってきた。善法寺は4年生達が保健室に来たから6年生達に事情を聴きに来たようだった。
「それで、4年生達はあんな顔を…」
「伊作も一応彼のそばに居てくれ。何かあった時、お前でないと手当てができんからな。」
「分かったよ。」
と、立花は善法寺に告げると彼も自室に戻っていった。
他の上級生達も同様に部屋に戻っていった。