第18章 作戦
「和歌菜の曾祖母が教えていた暗殺方法って、どんなもの?」
『えっと…。あたしがよく使う物理道具の鉄扇。あとは毒針だけど…』
「…その方法を受け継いでいなくとも、やり方の書くらいは残っているはず…。」
「ということは、和歌菜の姉達はそれを使って襲撃に来る可能性もあるということか」
4年生達が知恵を絞りながら敵の事を探っていこうとする。
彼女は、その中で何か忘れているような気がして頭を悩ませた。
『…毒草』
「えっ…?」
『昔大婆ちゃんは、店の裏で内緒で毒草を作ってそれを使ってた。姉さん達もそれは知っていた。それを使ってくる可能性も…』
「…それは、どんな毒草?」
『もちろん、死に至るものだよ。あたしは、雑渡さんに教えてもらった催眠効果や麻痺の効果があるもの中心に使ってたけど…』
「…厄介だな。死に至る毒を使ってくる可能性があるのか…」
『…ねぇ、やっぱりあたしも…』
すっかり頭を抱えてしまった4年生達に彼女はそう言った。
しかし、喜八郎が即座に否定した。
「ダメだよ」
『なんでよ、あたしだって…』
「僕らは君を守ると決めたんだ。もう君に、人殺しはさせない」
と、喜八郎が彼女の肩に触れて彼女を説得する。
彼女は他の4年生も見ると、全員同じ気持ちのようで彼女をみてそっとうなずいた。
『…分かった。分かったから…』
と、彼女は彼らの気持ちを受け取り納得したようだったがゆっくりと喜八郎の袖を握ってまた小さくつぶやいた。
『…絶対に、死なないで…』
と、普段の彼女なら言わないようなことを言われ4年生達はキョトンとしたが・・・プッ!と誰かが笑ったことで保健室に5人の笑い声が響いた。
***
「ん?こんばんわ!学園に御用ですか?」
「はい、学園長に少し。」
「そうですか!!では外部の方は入門票にサイン…を、ぐっ…がッ…!!」
「ごめんね、可愛らしいお兄さん。邪魔なのよ」