第18章 作戦
「よかったね若月」
『えっ…』
「あんなに団結力のない4年生達が君のためになにかしようとするなんて…。それだけ君には、彼らを惹きつける魅力があるんだろうね」
『…そんなことないですよ』
善法寺の言葉に、彼はあまり実感がないようで持っていた百合の花をまた見つめた。善法寺はまた彼の事を見てニコッと笑った。
「君は、雑渡さんと親しいのかい?」
『…親しいというか、半分育ての親みたいなものです。』
「なるほど、だから忍術にも精通する戦い方ができたんだね。」
『…何が言いたいんですか?』
「…若月、よかったら本当に忍術学園に編入しないか?君ならきっといい忍者になれるだろうから。」
という善法寺に彼はとても驚いた顔をした。
いい忍者・・・という概念が彼にはなかったからだ
『…オレは、根っからの暗殺者ですよ。今更…』
「失礼します!!」
と、また別の誰かが保健室に入ってきた
今度は、2年生の4人だった。
「先輩、お怪我をしたと聞いたので…。これお見舞いです」
と、彼と特に親しい時友四郎兵衛が彼に町で買ったであろう和菓子の箱を手渡した。
彼はその姿に萌えと感動を覚えて四郎兵衛を含めた4人を『ありがとう~!』と言いながら抱きしめた。
その後も、1年のい組とろ組の子達や3年生の子達など、後輩の何人かがお見舞いに来てくれた。
『善法寺さん…』
「ん?」
『オレ…あの子達のために真っ当な忍者になろうかな…』
「あれ…」
と、善法寺は彼の心変わりの速さにひっくり返ってしまったのだった。