第18章 作戦
「そうか、事情は分かった。…だがお前達。」
「俺達をたばかろうなんて…10年早いわバカタレ!!!」
裏裏山から学園に戻ってきた4年生と6年生は再び保健室に入った。そこで彼女の口から実習中の出来事と、雑渡昆奈門とのことをすべて話した。
そして、一緒に戻ってきた4年生は・・・
6年生に戦いに挑んだはいいが4年生が6年生に勝てるはずもなくタカ丸と彼以外の4人はもう見るも無残にボロボロにされてしまっていた。
「みんな…後輩に手加減してあげてよ。ケガをした若月以上にけがさせるなんて…」
「いや~つい力が入ってしまってな!!ガハハ!!」
「うっ…うぐ、し…死んだかと思った…」
「私も…死を覚悟した…」
「ツーン・・・」
「やっぱり6年生はすっげえな!!!」
と、相手が相手の滝夜叉丸と三木ヱ門が包帯だらけで号泣しているというのに喜八郎は自分はボロボロでありながら無関係と言わんばかりにそっぽを向いており、守一郎は初めて食満と本気で戦えたことが嬉しいようでまだ興奮していた。
「それで、お前達は黙っているだけでは飽き足らず彼を連れて逃げたのはなぜだ」
と、もともと保健室にいた3人以外しか分からないことを問い詰めた。するとずっと沈黙でいた喜八郎が声を上げた。
「…僕らだけで若月を守ろうとしただけです。先輩達に頼みたくなかったので」
と、そっぽを向きながら口をとがらせる。
その意図が分かっている立花が喜八郎にため息交じりに近づいてきた。
「喜八郎、お前達が彼を守ろうとしているのは分かった。だが、4年生のお前達にはできることは限られるんだ。我々も協力するが…できる限りお前達の希望に添えるようにする。それでいいだろ?」
と、喜八郎の肩に手を置いて喜八郎を説得する。
そっぽを向いている喜八郎だが、やはり立花には勝てないようでブスッとしながらもうなずいた。
そして、6年生達は4年生を連れて保健室から出て行った。
6年の内の1人中在家が、他の6年と別れて5年生を探しに行った。
保健室に残された彼と善法寺だったが、少しの沈黙の後善法寺が口を開いた。