第18章 作戦
「ぐっ…!」
地面に落ちた喜八郎を見て、中在家は少し笑っていた。
その横には喜八郎の委員会の先輩の立花も一緒だった。
「やれやれ、お前達は何を考えているんだ。」
「…教えません。」
「そうか、なら…」
「待て長治、喜八郎とは私が話す。残りの斎藤と浜を追った留三郎と伊作の手助けに行ってくれ。」
「…分かった。」
と言って、中在家が再び森の中へと消えて行った。
残った立花と喜八郎が睨み合い、沈黙が流れた。
「さて喜八郎、お前が何か行動を起こすということはすべて由利に関することだということは容易に想像がつくが…我々から逃げる意味が分からない。一体どういうことなのだ?」
「…教えません。」
「そうか、ならば私も全力で口を割る必要があるな。」
と、得意の焙烙火矢を取り出し喜八郎に向かって笑いかける。
喜八郎は自分の武器の鋤を取り出す。
***
遠くで爆発音が聞こえてくる中、逃げ続けている守一郎とタカ丸そして彼はとうとう裏裏山までたどり着きそうになっていた。
「なぁ、あいつら何を考えてるんだろう…」
「分かりませんが、とにかく逃げるしか…」
と、木の上にいる守一郎が何かの気配を感じて足を止めた。
タカ丸もそれに合わせて立ち止まる。
「守一郎、どうしたの?」
「…タカ丸さん、彼女をお願いします。」
『えっ…これオレ、どういう状況?』
守一郎がタカ丸に彼女を渡すと守一郎は自身の得意武器の南蛮鉤を構えた。すると何かの気配を感じて武器を構えると突然現れた食満留三郎の鉄双節棍を受け止めた。
「ほぉ、守一郎。俺を止めるか!」
「はい!よく分かりませんが、仲間のためですから!!」
「そうか!面白い!!!」
と、こちらも闘志に火が付いた食満は守一郎と一触即発の決闘を始めた。
タカ丸はそんな様子を見ていながら、また木の上を飛ぼうとした瞬間今度はタカ丸の足にいつの間にか追いついていた中在家の縄鏢が絡んだ。