第2章 決行
『んで結局午後の授業ないからって…全員と1回ずつ特訓がてらの勝負することないだろ…』
昼食の時間からさらに時が経ち、今は夕方・・・
あれから滝夜叉丸と三木ヱ門はどちらも譲ることがなかったため守一郎の一言で全員で決闘という形で自習をした。
後にタカ丸も合流し、もう全員ヘロヘロしていた
「はぁ…疲れた…。ん?あ、若月。」
『はい?』
「髪、また乱れてるよ」
『えっ?あぁ…すみません』
「若月の髪は柔らかくて細いからすぐ絡んじゃうんだよね。」
と、彼の長くてフワフワした白銀色の髪をタカ丸はいたく気に入っており同室であるためいつでも彼の手入れは怠らないのだ。
「おっしゃあ飯だーー!」
と、一通り汗を流した守一郎は他がヘロヘロなのを気にも留めずに食堂へダッシュして行ってしまった。
残された4人も各々文句や反省、自慢話を口にしながら食堂へ向かう。
『はぁ…疲れた』
「ねぇ」
肩を回しながらつぶやいた彼に声をかけてきたのは、喜八郎だった。彼は自分の愛用である鍬を肩にかけながら彼に耳打ちをした。
「君さ、先輩達に何かしたの?」
『へ?なんで?』
「ここ最近ずっと監視されてるの、気づいてないの?」
と、喜八郎は学園内に植えてある松の木の方に視線をやる。
するとそこには確かに人がいるような気配がした。誰の気配かは分からないが、彼にとっては見に覚えがないこともありあまりいいモノではなかった。
『…なんなんだろうね』
彼は喜八郎にそうつぶやいて返した