第2章 決行
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「あ!来た来た!!おーい!」
授業が終わり昼食の時間になったため4年い組の3人は揃って食堂へやってきた。そこにはすでに他学年の生徒も集まっており食堂の奥で4年ろ組の浜守一郎が3人を呼んだ。
「守一郎呼ぶなよ!席が狭くなるだろ!」
「いいじゃないか三木ヱ門、みんなで食べた方が美味しいだろ」
と、先に座っていた田村三木ヱ門は嫌そうな顔をしていたが、彼ら3人は無視してもらったお膳を手に席に着いた。
『ごめんな守一郎、いつも』
「気にすんなって!それより若月!今日は俺と手裏剣投げの訓練しようぜ!」
「何を言うか守一郎!若月はこの僕と石火矢の訓練をすると…!!」
「何を言うか!この私と美しさについての…」
「それは一番無駄だ!!」
「なっ!?無駄とはなんだ!!」
と、同じ席内で三木ヱ門と滝夜叉丸が揉め始めた。
これがいつものお決まり、4年生みんなで食事の時は必ず2人が喧嘩し守一郎と彼、タカ丸が止め、喜八郎は無視して1人で黙々と食事をとるのが4年生のあり方となっていた。なので今回のように…
『あれ?タカ丸さんは?』
「ランチ前にくノ一教室の子達に髪結いしに行くって。くノ一教室がさっきの時間外での実習だったらしいよ」
と、1人がかけても誰かがそれを把握しているような状態だった。彼は数日とはいえ、同学年とはかなり良好な関係を築いていたのだ。