第17章 秘密
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「4年生だけで野外実習?…ですか」
6人が揃って学園長の部屋に集まると、いきなり学園長に指令書を渡されたのだ。真ん中に座った滝夜叉丸に渡されたため三木ヱ門が少しムッとしている。
「そうじゃ、4年生には東の山を越えた所で起こっている戦に赴きそこで使われている武器についての調査書を作成してくるのじゃ。」
「武器!?」
武器と聞き俄然やる気が出始めた三木ヱ門を始め、戦地に行くことに関しては全員テンションが上がっていた。
そして、この調査は2人で1組になって火器・飛び道具・刀剣の3チームに分かれて調査することになった。火器は当然三木ヱ門と守一郎、飛び道具は滝夜叉丸とタカ丸、刀剣は喜八郎と若月のペアになった。
「楽しみだな~!野外実習!!」
「そうだな!!火器の武器を見られるんだもんな!!」
「実習めんどくさいよ~…」
『喜八郎、まじめにやれよ。この実習のレポートの出来次第で補習になるんだからな。連帯責任はごめんだからな!』
「ふん!成績優秀な私にかかれば単純なレポートなど…!!」
4年生達が口々に思うことを言い合っている姿に、タカ丸だけは少し安心したような顔をした。
「それじゃ、実習は明日の朝からだからね。早朝遅れないようにしなきゃね。」
「「「「『もちろんですよ!!』」」」」
と、タカ丸の言葉に他の5人が全員全く同じタイミングで同じタイミングでタカ丸を見ながら答える。
その様子に驚きながらも、タカ丸はまた嬉しそうに笑う。