第16章 告白
『えっ…?』
「だから、今の君の目的…ここにいる理由は殺しのためでしょ?それを、僕に変える。僕がここにいるから君もここにいる。それでいいでしょ?」
と、彼女に向かって問いかけていたら・・・「そうか!!」と
状況を察したと言わんばかりに守一郎が声を上げた。
「そうだよ!俺達全員がお前がここにいる理由になればいいのか!!だって、俺達仲間だろ?」
守一郎の言葉に、喜八郎がものすごく不機嫌になる。
タカ丸はその理由を察したようで苦笑いをしていたが、残った2人は・・・
「私はこいつを仲間だとは思って居ない!」
と、滝夜叉丸がそう言って布団に座っている彼女の元に歩み寄って彼女の顔に向けて指をさす
「おい貴様…この私に勝ったまま逃げ出そうなんて許さんからな!この私がお前に勝つまで絶対にこの学園からは出さんからな!!そこんとこ覚えておけ!!」
と、半分恐喝のように叫ぶ。
それに倣うように三木ヱ門も滝夜叉丸を押しのけて彼に言う
「私も!!まだ貴様との学園のアイドルをかけた勝負に勝っていない!!暗殺ごときでこの私から逃げられると思うなよ!!」
と、裏を返せば喜八郎や守一郎と同じようなことを言っているのは明白だった。タカ丸が最後に全員の意見をまとめるように彼女に言う。
「ね?君の価値は暗殺だけじゃない。君に勝ちたい…一緒にいたい…それは君にそれだけの価値があるからなんだよ。」
ね?と笑うタカ丸に、彼女は・・・
また涙を流し始めた。
「…はぁ、君って実は結構泣き虫だったりする?」
「ふふ、そうかもね」
「全く、私はそんな弱い女に負けたのか…」
「嘆かわしい…こんな奴に負けた私の方が恥ずかしい…」
「…なんか、やっとみんな仲間になった感じだな!」
みんな口々に言うが、喜八郎もタカ丸も滝夜叉丸も三木ヱ門も守一郎もそんな彼女の周りに集まって小さくなく彼女を囲んでいた。