第16章 告白
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「…今回は、4年生のお手柄だね」
4年長屋を庭の木の上からずっと見ていた善法寺伊作が安心したように言う。
木の上には、善法寺が夕方に6年生達に呼びかけをしていたため6年生全員が集まっていた。
ひと段落付いたであろう頃に、6年生達が静かになった4年生の部屋を覗く。
「全く、最初の斎藤にはヒヤヒヤさせられたな。」
「でもあれは、斎藤にしかできない方法だな」
「あぁ、しかもそれが由利にとって最も効果的な対処の仕方というな。」
「…他の4年も、大したものだ」
「ガハハ!!これで若月も暗殺はしなくなるだろうな!」
「うん!だって…あんな顔で寝てるんだもん」
と、6年生が4年の長屋を見てみると・・・
6年生達はみんなクスクスと笑いだした。
なぜなら、6年生が覗いた部屋の中では
4年生達がたった2枚の布団に彼女を中心に6人が寄せ合って眠ってしまっているからだった。
そして、その中心にいる若月は
とても朗らかで安心しきったような顔で眠っていた。