第16章 告白
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『これで全部…。』
彼女はすべてを話し終えて、また抱えていた膝に顔をうずめた。
話を聞き終えた4年生達は、全員で顔を見合わせた。
「先輩達は、それを知っていたということなのか?」
『うん…。多分6年生は初対面で気づいてる人もいたと思う。5年生も何日か過ごして気づいたんだと思う。それで、ここに潜入してから何日かして最初の暗殺を決行したけど…5.6年に止められたんだ。』
「それから、学園長先生に1日1回の暗殺を許されて学園に留まったと…あ、それは僕が立花先輩に聞いたことね」
喜八郎はかなり無気力そうに彼女に寄りかかりながら話に合わせて補足していく。それでも、滝夜叉丸と三木ヱ門はすぐには受け入れられないような表情をしていた。
彼女は、それを察したようで少し顔を上げてまた言葉を発した。
『…ごめん』
彼女の言葉に5人はまた注目した
彼女は自分の腕をギュッと掴んでさらにつづけた
『ごめん、ずっと騙してて…黙ってて…。』
「…全くだ。」
彼女の言葉に返事をしたのは、滝夜叉丸だった。
彼女は叱られると思ってまた顔を伏せた。ところが・・・
「お前が女だったなんて…じゃあ私は、女であるお前に自慢の戦輪で負けたということなのか!?なんという屈辱だーーー!!!」
と、大声を発し頭を抱えて項垂れ始めた。
それを聞いていた三木ヱ門も同じようにショックを受けていた。
「この私が…女に火器で劣っていたというのか!?あぁ~!!知りたくなかったーー!!!」
と、天を仰ぎながら大声で叫び始めた。
2人の意外な反応に、彼女は思わず顔を上げて目を丸くしてしまった。その様子にタカ丸はクスクスと笑っていた。