第16章 告白
「な…なんだこのガキ!!」
と、他の侍達も応戦するが彼女は恐怖で身体が竦んでいるはずなのにその侍達の間をすり抜け持っていた刀で敵を次々に切りつけていく
彼女は、そのまま森の中を通って敵陣に向かって走っていき・・・
***
結局、彼女が敵軍の首領を暗殺したおかげで結果タソガレドキの勝利に終わった。
「…大丈夫か?」
『・・・。』
殺しを終えて城に戻ってきても、誰も何も彼女に言わなかった。勝ったことだけがすべてのように。
彼女が怪我をしても、誰も手当てをしてくれる者もいなかった
「…これが戦場だ。そして殺し屋だ。何があっても、一度殺しに手を染めてしまった君にはもうどこにも居場所はないんだ。この先もずっとこの世界に身を置く以外ないのだ。それを忘れるな」
城の物置のようなところで蹲り、ケガをした腕を抑えている彼女に包帯だらけの忍者・・・タソガレドキ忍者の組頭、雑渡昆奈門がそう告げる。
彼はそれ以上は何も言わずに、無言のまま彼女の腕の怪我の手当てをした。
『・・・。』
「だが、君の暗殺のセンスは見事だ。もう少し修業をすればどんな戦場でも戦える。どうだ?私が教えてあげようか?」
『えっ…』
「どうだ?」
それから2年ほど
雑渡昆奈門に簡単な忍術や殺しの術を教わりながら過ごすようになった。
それ以降も、たくさんの人間を殺した。
戦場以外にも、何人もの役人や商人を殺してきた。
そうして彼は、暗殺をする時はほぼ無の状態で行えるようになった。
殺しに感情はいらないと自分の中で踏ん切りがないと恐怖で人が殺せなくなってしまうのだ。
彼女の冷たい目は、それによる反動だった。
そして・・・