第16章 告白
「この店か?暗殺業をやっているという一族の店は」
「はっ…こ、これは黄昏甚兵衛様!よくお越しくださいました!」
変な顔のおじさんに叔母は、いつも以上にぺこぺこしていたが、黄昏甚兵衛はそんな叔母を蹴りどかして店内に入ってきた。
そして、店先に出ている姉達を舐めるように眺めたと思ったら再び叔母に向かって言い放つ。
「それで、暗殺ができる女はどれだ?」
「えっ…そ、それは…」
「今手練れの暗殺者を探しているんだ。それを買いたい。値段は言い値で構わん」
そう言った瞬間、叔母の目の色が変わった。
慌てて店の裏に入ってきて彼女の手を強引に引き黄昏甚兵衛の前に差し出した。
「こ、コレが暗殺のできる女です!」
「ほぅ、ずいぶんと若いな。」
「はい、まだまだ若い11歳の娘です。暗殺だけでなく色事にも最適でございます!!」
今まで色事のしたことがないのに、笑顔でそんなことを言う叔母に彼女ももちろん姉達も不信感を抱いた。
「ほぉ…じゃあコレをもらおう。」
「もちろんでございます!!」
と、叔母はあっさりと彼女をタソガレドキに売り渡したのだ。
***
「えっ!?タソガレドキ!?」
「ちょっと前に、オーマガトキと戦してたあそこ?」
『あ、そういえば忍術学園と揉めたことあったっけ?まぁあたしはその手の事は一切知らされてないから分からないけど。それで、11歳でタソガレドキ城の専属の暗殺者になったの。でも…』