• テキストサイズ

陰陽の集い 《忍たま乱太郎》 ※移行中

第16章 告白




由利の一族は、代々暗殺業を主体とした女人家系だった。
幼い頃からあらゆる暗殺を受け継ぎ、大名や役人領主など身分を問わずに依頼があれば役目を遂行する・・・そんな一族だった。


だが彼女が生まれる少し前から、由利の一族は花街の一角で色小屋を始めてしまいいつの頃からか暗殺の一族と呼ばれることが少なくなっていた。暗殺の技術を持つ者も、彼女の曾祖母が最後となってしまっていた。


***


「生まれる少し前…?」

『うん、あたしの叔母さんが暗殺よりもよっぽど金になるって言ったらしくて…』

「それって、今日若月を襲ったって人?」

『えっ…喜八郎、なんで?』

「夕方保健室前を通ったら七松先輩と伊作先輩がしゃべってたの聞こえた。」

『…そう、叔母さんは大婆ちゃんの言いつけを無視して暗殺業じゃなくて女として身体を売ることを優先した。でも、あたしは…』


***


彼女は、大の曾祖母っ子だったためいつも女としてどうこうしか言わない叔母よりも曾祖母に暗殺を教えてもらうことが好きだった。7歳で初めて隣町の関所の役人を殺した時も大婆ちゃんが喜ぶと思って人を殺した。暗殺によって喜ぶ人もいた・・・


そう思って居たが、8歳になる直前・・・
大好きな曾祖母が死んだ後から、彼女の暗殺はあの叔母に利用されるようになった。


/ 196ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp