第16章 告白
『はぁ…はぁ…』
「…あのね、若月。俺、知ってるんだ。若月の事…」
『えっ…』
「君がどうしてここに来たのか。5年生や6年生と君の事…。君が、学園長先生の命を狙っている暗殺者ってことも…」
タカ丸がゆっくりそこまで言うと、彼の目が変わった。
今度は本気の力で鉄扇を振るった。しかし今度は彼の手を掴み攻撃を防いだ。
『…ッ!!』
「…でも、俺は信じてるよ。なにか事情があるんでしょ?」
『・・・。』
「話して、くれない?俺なんかじゃ、力になれないかもしれないけど…」
『…じゃあほっといて。』
「えっ…」
『タカ丸さんには、関係ない。だからほっといて…!!これ以上関わらないで!!…殺しますよ?』
彼は、いつもの冷たい目をしてタカ丸を睨むがタカ丸には何も効いていないようだった。ずっといつものように笑顔を絶やさず彼を見ていた。
「君になら、俺は殺されてもいいよ。」
『えっ…』
タカ丸は、そう言って彼を優しく抱きしめた。
彼の手から手を離して彼の頭を抱えて、腰を引き寄せた。
そのあまりの優しさに、彼は思わず持っていた鉄扇を落としてしまった。
『た…タカ丸さん?』
「俺、若月が好き。どんな事情があっても、暗殺者でも…若月が好き。…だから、行かないで」
行かないでと言った瞬間、タカ丸の彼を抱きしめる力が強くなった。その瞬間、彼の身体が震えるような感覚に襲われた。