第16章 告白
学園が静まり返り、日をまたぎ始めた頃・・・
目を閉じていた若月は、ふと目を開けた。
身体を起こして、隣で寝ているタカ丸を見る。
彼もすでに寝ていて寝息を立ててる。彼はそれを確認してから布団を出た。
寝巻姿のまま、彼の裁縫道具を開ける。
その中には針や糸、糸切りハサミはもちろんだがそれとは別の入れ物に針が入っていた。
別に分けられていた針を手にし、枕元に置いてあった彼の鉄扇を持って部屋を出ようとした。
「どこに行くの?」
寝ていると思っていたタカ丸が起きてきたことに少し驚いたが、彼はすぐに平常心に戻って彼に冷たく言い放つ。
『・・・厠。』
「そう、俺も行っていい?」
『…一人で行きます。』
「いや、俺も一緒に」
『来ないでください!!』
「…どうして?」
彼の言うことに優しく返しているが、その返答に彼はイライラが募ってしまい思わずタカ丸に強く当たってしまった。
タカ丸はそんな彼を見て、ゆっくりと立ち上がり彼の肩に手を置いた。
「…俺でよければ、話を聞くよ。」
『…ほっといて。』
「ん?」
『もう…ほっといてったら!!』
と、彼は振り向き様に手にしていた鉄扇をタカ丸の顔めがけて振るった。ギリギリ当たらないように振ったが、タカ丸は逃げるどころか避けようともしなかった。