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陰陽の集い 《忍たま乱太郎》 ※移行中

第15章 執念




***

「かんざし~いかがですか~?」


と、キリ丸が声を上げてお客を呼ぶ。
花街周辺ということもあり、女性のお客さんが異常に多い。そのため・・・


「お兄さんたち可愛い~!」
「ねぇこの簪どうかな?お兄さんはどっちの方がいい?」

「えっ…と、あの~…」

「どっちも同じです!!」


基本的に品出し担当の潮江や七松が異常にモテている。
花街を行きかうお姉さん達に絡まれて2人は困ったような表情をしていた。ただ中在家は、ちょっと年上のお姉さん達からモテていたため無視しているようだった。


『キリ丸…女装は失敗だったかもね』

「そっすね…ちょっと直しましょう」


と、3人に店番を任せてキリ丸と彼は一度簪を売っている店の裏手に入り一瞬にして変装を解いた。

少し雰囲気も男らしく直して再び表に出た。すると、2人の予想通り男の子の姿になった途端にお姉さん達の反応が一変した。


「わぁ~君たち可愛い~!」
「お仕事偉いね~。」


と、明らかに態度が変わって売れ行きが良くなったためキリ丸はウハウハだった。

でも、彼の中では複雑だった。
自分の身内が居たらどうしようと・・・


「すみません」


と、声をかけられるのが少し怖くなっていた
接客だというのに少し目つきがきつくなってしまっていたため中在家に


「由利、落ち着け。顔つきが強くなっているぞ」


と、何度も注意されてしまっていた。
それでなんとか気持ちを保っていたが、彼の中ではずっと緊張の状態だった。


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