第14章 日常.3
次の日は・・・用具委員会
この日もまた彼は委員会のお手伝いをしていた。
この日の用具委員会は、壊れた壁の修繕のお仕事をしていた。
「おし!壁の修繕はじめ!!」
「「はーい!」」
「若月、一緒にやろう!!」
『うん!!』
と、4年の中では比較的仲がいい浜守一郎と共に壁の修繕を行うことになった。浜が壁に上り屋根の修補、若月が下で壁の補修をするようだった。
「若月、それ取ってくれないか?」
『はいよ~』
と、基本若月は浜と一緒にいるためそこまで面白いことはないと、5年生は少し退屈していた。
修繕もそろそろ仕上げの段階に差し掛かった頃・・・
浜が壁の屋根の修繕の仕上げを始め、若月もそろそろ終わり際になった時、用具委員会委員長の食満留三郎が確認にやってきた。
「どうだ守一郎。そろそろ終わりそうか?」
「あ、食満先輩!はい、あとココの修繕と…」
と、浜が向きを変えて食満の言葉に返答するがその瞬間浜の足元に置いてあった金槌が浜の足に当たり下で壁の修繕をしていた若月の頭上に向かって落下した。
「あっ!!若月!!」
『ん?』
名前を呼ばれた若月は、何の疑問もなく顔を上にあげる。だが、落ちてくる金槌を理解するのに遅れたのか若月はすぐには反応できなかった。
「由利!!」
と、若月より先に反応したのは食満だった。
彼の名を呼び勢いよく彼の腕を引き彼を抱き寄せる。若月も何が起こったか分かっていないが、今まさに自分がいたところに金槌が落ちていることだけは理解したようだった。