第14章 日常.3
さらに次の日・・・
この日は、作法委員会のお手伝いだが・・・
5年生達は焦っていた。
「これはまずいな…」
「あぁ…まずいな!」
「三郎まずいって顔してねえよ!」
この日の作法委員は、外で作法委員が使う首実検用のフィギュアの整備をするという仕事を手伝いするものなのだが・・・
若月が真ん中で首だけフィギュアを磨いているが、その若月の膝を枕にして綾部喜八郎は昼寝を・・・若月の右側を立花仙蔵が独占してる上に立花の膝の上には1年い組の黒門伝七。そして若月の前で浦風藤内と笹山兵太夫が会話をしながら作業をしている。
ようするに・・・
「作法委員会、ガッチリ若月囲ってやがる…」
「もう我が物顔だよ…。特に綾部と立花先輩…。」
と、遠巻きに見ながら5年生達は驚愕していた。
すると、「ひっ!?」と竹谷が何かに怯えたように声を上げた。
「ん?どうした八左ヱ門」
「いや…今立花先輩がこっちを見たような…」
「えっ…気づいてるのか?」
「いや…立花先輩だけじゃねえ…今、綾部もこっちを見たような気がしたぞ…」
「おい…ちょっと逃げようぜ…今に焙烙火矢が飛んできそうな気がする…」
「あぁ…行こうぜ!」
と、5年生達は慌てて隠れていた木の上から退散しようとしたが…降り立った瞬間、木の下にあった落とし穴に全員仲良くはまってしまった。
「うぅ…怖い」
「あぁ、作法委員怖い…」
「兵助…あの2人に勝たないと無理だぞ?」
「…自身無くなってきた」
と、5年生達は5人揃って落とし穴の中で落胆していた。