第14章 日常.3
次の日・・・
この日は保健委員会の薬草取りの付き合いで裏山に来ていた。
保健委員会は別名不運委員会とも言われているが、この日は・・・
「伊作先輩!あれ!探している薬草じゃないですか!?」
「えっ!?あぁ!!ホントだ、これなかなか見つけられない薬草なのに!?」
「あ、伊作先輩!頭にテントウムシです!!」
「おぉ!テントウ虫は幸運を呼ぶ虫と言われているな!!」
「おぉ~!すごいスリルー…」
「そして何と言っても、今日は珍しく快晴です!!」
「あぁ!今日は…」
「「「「「なんて幸運なんだーー!!」」」」」
と、保健委員全員が天を仰いで叫んでいる。
彼自身は何も感じていないが、野草を取りに行ったら落雷が当たり前、野草は見つからずに遭難・・・が日常なのに、今日は一切そういうことがない。
「若月!!」
『は…はい!?』
「ありがとう!!君のおかげで保健委員会は平和なんだ!!」
『えっ…と、よく分からないですが、よかったです』
「もう本当に保健委員会に入ってください!!」
「お願いします!!保健委員会がもう不運委員会と言われないために!!」
と、6年生の善法寺伊作を始め3年の三反田数馬や2年生の川西左近にも泣きながら懇願される始末だ。
彼は苦笑いをしながら薬草取りを手伝っている
この様子を見た5年生達は・・・
ある意味同情していた。
「なんか、保健委員会のためにも若月は保健委員会に入るべきじゃないか?」
「いや…生物委員会にもほしいんだよ…。」
「そこは火薬委員だろ!!」
「おい揉めるな!!気づかれる!!」
と、自分の委員会に欲しいと委員長代理の2人が揉め始めたため5年生はその場を離れた。