第14章 日常.3
「ほぉ…」
「なぁなぁ兵助!」
と、一通り話を聞いた鉢屋がニヤニヤしながら久々知に近づき耳打ちする。
「お前さ、若月に告白してみろよ」
「はぁー!?!」
「だってよ、好きなんだろ?だったらいいじゃねえか!早くしないと、他の奴にとられちまうかもしれないぞ?」
「えっ…?」
「だって優しくて面倒見がよくておまけに容姿がいいって、男でも好きになるやつはいるだろ。」
「えぇ…でも…」
「よし!観察しに行こう!」
と、いきなり話しに入ってきたのはいつの間にか部屋にいた竹谷八左ヱ門だった。もともと部屋にいた4人は竹谷がいたことに驚いたと同時に竹谷が言った言葉にも引っかかった。
「観察?」
「そうだ!誰が若月を好きか…どう思ってるか観察するんだよ!敵の内情を知るんだよ!」
「敵って…」
「おし!!面白そうだ!!行こうぜ兵助!!」
「いいじゃないか!!」
「えっと…若月に悪いような…」
「いいじゃないか雷蔵!面白そうだろ!」
「結局お前ら面白そうって理由だけだろ!!」
と、久々知以外の4人が想像以上にノリノリになってしまったため彼らはそれから、若月とその周辺の関係を観察することになった。