第13章 思想
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「はい、団子お待ちどう様!」
『お団子3皿ですね!ありがとうございます。』
ドクタケ城領内にあるお団子屋さんに到着した5人は、さっそく女装をしたキリ丸と彼が接客を、6年生の3人が裏方で団子を作り始めていた。
6年生達の団子の腕がいいのか、キリ丸と彼の女装の効果なのか団子屋は大盛況だった。
「ふぅ…すっげえ客だな。さばいてもさばいてもやってきやがる…」
「いけいけどんどん!!いけいけどんどん!!」
「小平太、もっと丁寧に作れ」
「ん?おぉすまん!!それにしても、若月の奴すげえな!やっぱり本物の女は違うな!!」
「あぁ、女装の腕もだが客を魅了する話術と動作。忍びとしてもかなりレベルの高いものだ。」
6年生達が見ている所でも、彼は笑顔を振りまき団子屋に来るお客たちの相手をしていた。キラキラとしたその笑顔に、3人の団子を作る手を止めてしまっていた。
「先輩方!!早く団子作ってくださいよ!!」
「えっ!?ぉおお!!小平太!!鍋拭いてるじゃないか!!」
「えっ!?わぁ!!」
と、調理場でバタバタしているのを彼はお客と笑いながら見ていた。
しばらく客足の途絶えない中で働いていたが、そのうち治まりはじめ客が1人もいなくなった。