第13章 思想
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「全く、キリ丸の頼みとは言えあいつと一緒にアルバイトとは!」
「面白そうではないか!!」
「…モソ」
次の日の朝
6年生3人はさっそく校門のところに集合していた。
3人共彼に対して、まだ認めてない節があるためいつも以上に気合が入っていた。
「しかし、遅いな」
「どうせあの女が準備に手間取ってるんだろ。これだから女は…!」
「モソ・・・来たぞ」
と、待つことに飽き始めた七松とイライラし始めた潮江の間にいた中在家が遠くを見て声を出した。中在家の言葉に2人は忍術学園の入り口の方を見ると、彼だけでなくキリ丸も一緒に出てきた。
だが、3人は2人の姿を見て予想以上で心底驚いていた。
なんとキリ丸と若月は、驚くほどに可愛らしい女装をしていたからだ。
キリ丸は普段から女装は得意としてたが、今日は今まで以上に愛らしい姿になっていた。若月の方は普段の印象から一変本物の女の力をフル稼働させているのが分かるほど見目麗しいモノになっていた。
「いや~先輩方お待たせしました!」
「いや、えっと…由利?」
『はい、遅くなりましてすみません…。最近売り商売の時は2人で女装してるんですよ。オレ女装の化粧が得意で!』
と、笑って3人を見た。
彼の得意なことは立花経由で喜八郎から聞いていたため分かっていたが、腕前をじかに見るのは初めてで3人は思わず息を飲んでしまっていた。