第5章 母校
「へ!?!?
ちょ、ちょっと消太くん!?」
消太くんは自分の首に巻かれている捕縛布を器用に外し、備え付けの椅子へと投げ付けた。
そして再度私の方に向き直るとそのまま覆い被さってきた。
ガッチリと抱き締められ身動きが取れない。
何!?この状況!!!
ちょっと待って、別に生娘でもないし
焦る必要もないけど!!!
でもでもでも!!!
ああああ!今日下着何着てたっけぇ!?
パニックのまま、そんな事を考えて
恐る恐る消太くんの方を見ると
「ぐぅ…」
寝るんかーーーーいっ!!!
今日は何だかツッコミを入れてばかりいる気がする。
少し落ち着いて消太くんを観察する。
間近で見る寝顔は幼く見えて可愛い。
小汚い見た目からは想像も付かない程、清潔感の漂う匂いがする。
酔うとあんなになるのなんて初めて知ったし、今日は消太くんの新たな一面が発見できて嬉しかったな。
この状況はどうかと思うけど…。
お疲れのようだし、このまま寝かせてあげようかな。
もう少ししたら抜け出して
化粧落としてお風呂に入って…
ああ…私も眠くなってきた…
少し寝てからでもいいかぁ…
「おやすみ、酔っ払い。」
スースーと寝ている消太くんに
ひと声かけ、私も意識を手放した。