第4章 突然の訪問者
再度、携帯電話は鳴った。
【相澤消太】
今度こそ、消太くんだった。
「はーい!」
『よう。今お前ん家の最寄り駅に着いた。』
「…はい?」
『近くの喫茶店で待ってるから、出てこられるか?』
「…えーっと、私、今福岡よ?」
『そんな事わかってる、なるべく早くな。』
じゃあな。と切れた。
え?どうゆうこと?
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とりあえず急いで支度を済ませ最寄り駅へ急ぐ。
本当に来ているのか…
そもそも何故、最寄り駅を知っているのか…
疑問を抱えながら向かう。
最寄り駅へは徒歩で5分ほど。
中心部から外れている為、駅近くでも安めのアパートを借りれたのだ。
走っていけばすぐに着く。
近くの喫茶店は一つしかないので
たぶんあそこだろう。
喫茶店のドアを開けると
カランカランと音が鳴り、
コーヒーのいい香りが鼻をかすめる。
休日にたまに利用するその店は
マスターが一人でやっている。
ランチタイムを過ぎた時間帯なのでお客さんは少なそうだ。
「いらっしゃい、クラウディア」
「こんにちは、マスター。
待ち合わせなんだけど…」
そこまで広くない店内を見回すと
奥の方のソファー席にいる消太くんが手を挙げた。