第4章 突然の訪問者
その後、消太くんから補足の連絡は来ず、
どうしたらよいのかわからないまま週末を迎えた。
また電話が来るのかな~。
そろそろアパートの荷物もまとめておかないと。
引越し用に用意してあった段ボールに
しばらく着ないであろう服を詰めておく。
いつ電話がかかってきてもいいように
携帯電話は常に見える位置にある。
見える位置にあるとどうしても意識をもっていかれる・・
中々作業に集中できないのでやめた。
コーヒーでも淹れよう。
電気ポットに水をいれ、スイッチを押す。
インスタントのドリップコーヒーをマグカップにセットしていたら携帯電話が鳴った。
バッと飛びつき、携帯電話をみると
何かの広告メールだった。
はあ、これじゃ連絡を楽しみに待ってるみたいじゃない。
消太くんとは雄英高校を卒業してから会っていない。
それでも、ひざしくんから近況を教えてもらったり、
ヒーローニュースでイレイザーヘッドの名前が流れると必ずチェックしていた。
メディア対策をしているため、ニュースで名前が出ることは中々無かったが・・。
あとは毎年欠かさず、兄の命日になると
お墓に来てくれているようだったが会うことはなかった。
10年経っても、私は消太くんを忘れられてはいない。
何人か付き合ってみたりもしたが、いつも長続きしない。
ここ最近は恋愛をするのもめんどくさく、ひたすら仕事に精を出していた。