第3章 オリジン
自分の気持ちを伝えてスッキリした。
お兄ちゃん、ありがとう。
私、ちゃんと伝えたよ。
流れている雲を見上げ、兄を想う。
ふと、消太くんを見ると
少しあった距離が詰められ
気がついた時には消太くんの顔が目の前にあった。
そのままどんどん近づいてきて
私の唇に消太くんのひんやりした唇が押し付けられる。
すぐに離れていったと思ったら
ひんやりとした感触の形の良い唇が動く。
「俺も後悔しないように、な」
え!?
ボンッと頭のてっぺんから煙がでた。
「…ふ、真っ赤。」
また最初の距離に戻った消太くんは
笑ってこっちを見ている。
「こ、この!天然タラシ!!!」
「…なんだそれ」
もう冷たい雰囲気はなかった。
やっぱり消太くんは優しい人なんだ。
キスは想定外だけど…