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partly cloudy 【ヒロアカ】

第3章 オリジン








「俺に…何て言ってほしいんだ?
霞はヒーローになるべきだ、諦めるなって言葉がほしいのか?
辞めたいならやめればいいだろう?」







酷い言い方だった。
とても冷たく突き放すように。


お兄ちゃんなら、こんな言い方しない。
お兄ちゃんなら……

自分の手に力が入るのがわかる。






「俺はお前のお兄ちゃんじゃない。
甘ったれるな。自分の人生だ、自分で決めろ。
俺は決めた。自分でだ。
俺は白雲のような人を導けるやつにはなれない。
…けどな、あいつのような人を導いていけるやつをもう失ってはいけないと思ってる。
霞、お前は人を導いていけるやつだ。
だから、お前の兄貴みたいになるな。
家族を悲しませるようなやつになるな。
その痛みをわかってるお前なら、誰よりも…いいヒーローになれる。俺は…そう思ってる。」





消太くんの方を見ると悔しそうに
フェンスを握る手が少し震えているのが見えた。





ああ…
酷い言い方をしているようで
けっきょくは甘いんだ、この人は。


消太くんの言葉はすんなりと自分の中に入ってくる。

私、本当はわかってたの。
心は決まってたの。





いろんな人に兄は「立派なヒーローだった」って言われて
違和感しかなかったの。

こんなに家族を悲しませて、何が立派なヒーローだって思ったの。







両親から夢を諦めてくれと言われた時


悔しかったの。
諦められなかったの。




私は、ヒーローになって
私たち家族のような悲しい思いをする人を減らしたい。

大切な人を心配させないような、人を救えるヒーローになりたい。





私は私のなりたいヒーローに、なる。




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