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partly cloudy 【ヒロアカ】

第3章 オリジン







白雲が死んだ。


正直、霞にも白雲のご家族にも合わせる顔がなかった。
俺が、もっとああしていれば…こうしていたら…考えても仕方がないタラレバが次から次へと浮かんでくる。


葬式の時、白雲のご両親からは感謝を伝えられた。
本当に感謝しているのは俺の方だ。
白雲にはいつも助けられていた。
どうしようもない俺を導いてくれた。


霞は少し痩せたようで、
青白い肌に無表情で心のない人形ようだった。


声をかける資格もない。
後ろにいた山田が声をかけているのを見ていることしかできなかった。



「オレは霞が心配だ…」


葬儀の帰り道、山田がポツリと呟いた。



「あいつ、学校来れるかな…。
なぁ、相澤…今お前にこんな事言うのも酷だけどよ…。
霞のこと、どうするんだよ…。」



「俺に…できることなんか…ねぇよ」



そう、俺にできることなんてない。
そもそも霞に合わせる顔もない。
一緒にいたのに、救えなかった。



「オレはな、相澤。朧の分まで霞を甘やかすって決めたんだ。あいつは大事な妹分だ。」



山田が足を止めた。



「今、霞を救えるのはお前しかいないだろ。
お前も大事な友達だ、お前が辛いのもわかってる。でもな、オレは霞を甘やかすって決めたんだよ!」



山田の声が段々と荒々しくなる。



「お前が!朧の分まで霞を導いてやれよ!
お前にしか…できないんだからよ…」



頼むよ…。と呟き、俺の肩を掴んだ。
いつになく真剣な表情で俺は山田から目を逸らすことができなかった。





「相澤、また学校でな」


山田と別れ、家までの道を辿る。


“ショータになら安心任せられる!頼んだぞ!”

白雲の言葉を思い出す。
ったく、二人して勝手に任せるなよ。
俺の親友二人はいつだって好き勝手に俺を導くんだ。



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