第38章 校外研修会
「テキトーな事言ってんじゃないよ」
後ろから聞き馴染んだ大好きな声が聞こえたと思ったら
同時に持っていたであろうノートで頭をパコンと叩かれた。
「あら、相澤くん。おはよう。」
「しょ、消太くん、おはよう…」
「おはようございます」
怒っているかと思って恐る恐る振り返ったが
消太くんは私の顔をジッとみてから短く溜息を吐いてキッチンへのそのそ歩いていった。
怒られなくて拍子抜けしてぽかんとしている私に
ミッドナイトさんが青春ねぇ~とコーヒーに口を付けた。
「霞ちゃんが元気そうで安心したんじゃない?」
そういえば、消太くんに昨日のお礼も言えていないままだった。
私も立ち上がって消太くんの後を追う。
「消太くん、昨日はありがとう。
無事にレポート終わりました!」
「よく頑張ったな。」
消太くんはコップにいれた水道水を一気に流し込んでから優しく微笑んで私の後頭部に優しく触れた。
私も嬉しくて顔がゆるむ。
「コーヒー淹れようか?」
「ああ、ありがとう。」
青春ねぇ~。そんなミッドナイトさんの呟きが
聞こえてきたが今は何も聞こえていないフリをした。