第37章 青い空と青い春
寮制度が取り入られてからは
残業せずに自室に仕事を持ち帰る人が多い。
(俺もその一人)
霞は仕事とプライベートは分けたいらしく、なるべく自室に仕事は持ち込まないようにしていた。
しかし、今回はそんなことも言っていられないようで夕食を早々に済ませると部屋に引きこもってレポートを進めているようだ。
研修会が決まってからの霞は日に日に隈が酷くなってきていた。
徹夜が続いているらしい。
なのに霞は普段通りに授業を終え、
通常業務や書類整理を終えてから
いつものように放課後の生徒たちの自主トレーニングにも付き合っている。
まったくあいつは
やることが極端すぎて非合理的だ。
睡眠は取れるときに取っておくべきだと思う。
コンコン。
「…………はーい。」
霞の部屋のドアを叩くと
いつもとは違う素っ気ない返事が返ってきた。
ドアノブを回し、部屋の中へ進む。
いつもは綺麗に整頓されている部屋の中が
書類や参考資料で溢れている。
霞はパソコンから目をそらさずに
キーボードをカタカタと鳴らしている。
邪魔をする気は毛頭なかったが
ここ2日ほど夕飯もゼリーで済ますなど
段々と生活スタイルが俺に似てきているそうで
ミッドナイトさんから少し休ませるように言い聞かせろと指名を受けてきた。
「少し休憩したらどうだ?」
「ん。ありがとう。もう少しやったら…」
辞める気は無さそうだ。
ミッドナイトさんが淹れたホットココアを空いてるスペースに置いた。