第36章 合同戦闘訓練

第五セット

Ａ組は緑谷くん、麗日さん、峰田くん、芦戸さん。
先ほどの爆豪くん達と同様に機動力のある緑谷くんが先行し、敵を誘き寄せる作戦らしい。

対するＢ組は物間くん、庄田くん、柳さん、小大さん、そして心操くん。
姿を隠しながらも攻撃できる手強い個性が固まった。
人数によるアドバンテージもあるので、Ｂ組が有利か……。



開始早々、物間くんが緑谷くんと接触した。
と、同時にＡ組の他のメンバーをＢ組の攻撃が襲う。

まだ心操くんが姿を見せていない為、Ａ組チームには物理的攻撃に加え、精神的にも揺さぶりにもなっている。


初見殺し、そして個性がわかってもそこにいるだけで脅威。
やっぱり凄い個性だよ、心操くん。

日々、辛い訓練を積んでいるヒーロー科の生徒たちにこれだけ通用するのだ。
これからどんどん力を付けて行けば、凄いヒーローになるに違いない。



がんばれ、心操くん。

先生失格だけれど、心の中で個人的な応援をしながらモニターを見つめた。







緑谷くんが物間くんに攻撃をしかけた瞬間だった。

緑谷くんから黒い紐状の何かが出て
一瞬でブワッと広がった。


「緑谷、また新技かー。」


生徒たちの声が耳に入るが……
あれって、新技なの……？
にしては、緑谷くんの超パワー的な個性から逸脱している気がするけど……



「霞！！」


消太くん、ブラド先生、オールマイトが何やら焦った様子で駆け寄ってきた。


「様子がおかしい！
先行く！オールマイトさん頼む！！」


簡潔に言い終えるとブラド先生と一緒に走って行った。
私も慌てて雲を出してオールマイトに乗ってもらう。


「ミッドナイトさん！
ここ、お願いします！！！」


生徒たちを放っておくわけにもいかない。
ミッドナイトさんに一言伝えて雲を走らせた。