第36章 合同戦闘訓練
続いて第三セット。
範囲攻撃のある轟くんを軸に動くA組に、鉄哲くんの立案で真っ向勝負に出たB組。
A組は、索敵・スピード・近接そして広範囲攻撃と、一番バランスの取れたチームだ。
チームで戦えば分があるのはA組。
そんなA組は骨抜くんの柔軟な立ち回りによってそれぞれが1対1の状況に持ち込まれている。
しかもきちんと相手の個性との相性を考慮した上でタイマン勝負なので、見たところ押しているのはB組。
B組はどのチームもよく作戦を練っているなぁ。
しかしA組も土壇場に強いから、どの試合も見応えがある。
試合は進み、
轟くん、鉄哲くん、骨抜くんが戦闘不能。
飯田くんも意識はあるが動けない。
回原くんと尾白くんがそれぞれ牢屋にいるので状況は1対1。
残っているのは角取さんと障子くん。
角取さんは個性の角でダウンしている3人を拾い、障子くんの手の届かない範囲まで浮き上がった。
ダウンしている鉄哲くんと骨抜くんを牢屋に運ばれたら負けてしまうから、タイムアップの引き分け狙い。
私は良い判断だと思った。
おそらく私が角取さんでもそうする。
『第三セット、終了!
投獄数1対1で引き分け!!』
ブラド先生の声が響く。
試合として勝ち負けがつかないのはもどかしいが、本番を考えると理にかなった戦略。
いや〜、面白い試合だった!
やっぱり被害が大きすぎるけども。