第35章 深く深く
エリちゃんもいるので先生方(ミッドナイトさん以外)は深酒はせず、ランチラッシュのご馳走を堪能したら解散となった。
エリちゃんとお風呂に入って
寝かしつけてから、洗い物をしようとキッチンに向かうとオールマイトが洗い物をしていた。
「オールマイト!!
すみません、洗い物させてしまって……」
「ああ、いいんだよ。
霞クンは今日の主役だろう?
それに、得意なんだよ。洗い物。」
食器を一枚一枚丁寧に洗いながら
私に向かってにっこり笑った。
さすが元No1、洗い物の手際まで良いなんて……。
「……ありがとうございます。
じゃあ、私が拭きますね!」
「ありがとう、助かるよ。」
オールマイトが洗い終わって
水切り籠に入れていく食器を
私が丁寧に拭き取り、棚へと戻す。
「霞くん、よかったね。」
「え?」
「ああ、いや……
相澤くんとのこと。
すごくお似合いだと思うよ!」
オールマイトはニコニコしながらお皿を洗っている。
そういえばオールマイトには、私が消太くんに片想いをしている事を話したんだった。
オールマイトのほわほわとした雰囲気で喜んでくれている事が伝わってくる。
「ありがとうございます…
なんか、照れますね。」
「ハハハ、私は恋愛とはあまり縁がなかったからねぇ。少し羨ましいよ。」
「オールマイトなら選び放題なんじゃないですかぁ〜?」
「いやいや……
そりゃあ、若い頃は何人かお付き合いした人はいたけど、中々時間作れなかったり、デートすっぽかしたりしているうちに振られてばっかりだったよ。
お恥ずかしながら……。」
洗い物が終わり、水道をキュッと止めてタオルで手を拭きながらハハハ……と自嘲気味に笑った。