第35章 深く深く
つまり、好きだと言われた次の日……
そんなに早く!?
正直、意外だった。
ひざしくんと消太くんは同期だし、高校の時から一緒にいるから消太くんがなんだかんだ言いながらもひざしくんの事を一番信頼しているのもわかっていたが、あまり恋愛事情などを話すイメージがなかった。
ちなみにひざしくんは、高校の時から彼女できたり別れたりの報告を聞かれてもいないのに話していたけれど……。
「相澤なりのケジメってやつなんじゃないかね。
曲がりなりにもオレ、兄貴分だからよ。」
ひざしくんがヘラッと笑った。
思えば、ひざしくんが推薦してくれていなかったら、私は今こうして雄英で教鞭を取っていないし消太くんとも再会できていなかった。
本当の兄を失ってからというもの、
本当の兄以上に私を気にしてくれた。
私なんかには勿体なさ過ぎる兄貴分だ。
改めてそう思った。
「ひざしくん、ありがとうね。」
「ンー?何よ、いきなり。」
「頼れる兄貴分を持って幸せ。」
柄にもなく少し泣きそうになってしまい、
顔をひざしくんに見られないように背を向け、そのままひざしくんに軽く体重をかけた。
意図を汲んでくれたのか
ひざしくんは何も言わずにただ私の頭をポンポンと軽く叩いた。