第35章 深く深く
ボーッと考え事をしていると
消太くんの大きな手が目に入る。
そっと触れてみると捕縛布の影響で所々にタコが出来ている。
細身な割に大きな手。
そして優しく包み込んでくれる手。
昨夜はこの手で身体中を弄られ、何度も高みへ導かれた。
細身な身体も無駄のない筋肉でゴツゴツしていた。
触れ合う所はすべて熱くて溶けてしまいそうで……。
また思い出しては顔を赤らめ、恥ずかしくなって掛けていた布団で意味もなく顔を隠す。
触れていた手が私の手をギュッと握った。
「起きてたのか?」
耳元で気怠そうな声が響くと
消太くんが私の首元に顔を埋めてきた。
トレードマークの無精髭がくすぐったい。
「う、ううん。
さっき起きちゃったところ……。」
「身体、平気か?」
「うん……。」
「なんだよ、照れてんのか?」
照れるさ、そりゃあ!
と言い返そうと振り返ると唇を塞がれた。
先ほどまで握りしめられていた手がいつの間にか解かれ、私の身体を這い回る。
「ちょ、起きたばっかりで……」
「朝の方が燃えるんだよ。
知らなかったか?」
知らないよ!!!という突っ込みをする暇もなく、再び唇を塞がれた。