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partly cloudy 【ヒロアカ】

第35章 深く深く






「生徒とは言え、他の男の事でニヤついてるのは妬けるね。」


「え?」


ふと気が付いた時には消太くんの顔がすぐ間近に迫っていた。
机にビールの缶を置くのが横目に入る。


「な……何かな?」


「何かなじゃねぇよ。
怪我が完治するまで我慢してやったんだからな。
これ以上お預けは勘弁してくれ。」


ズイズイと近付いてくる消太くん。
溢すと困るから置いとくぞ。なんて言って私からグラスを取り上げた。

少し前に動いたらすぐに肌と肌が触れてしまえる距離にいる消太くんをまじまじと見つめる。
消太くんの目線は熱を帯びていて
自分でも緊張しているのがわかる。



「……嫌か?」


「そんなことない!
……ちょっと緊張してるだけ」


至近距離で見つめ合う。
バックンバックンと脈打つ心臓の音が消太くんにも聴こえてしまうのではないか。

そのまま少しの間見つめ合うと
消太くんがフッと笑って
私の頬にキスをした。


「悪かったな。
ちょっとがっつき過ぎた。」


そう言って私の頭にポンと手を乗せ離れて行った。
離れて行かれたら行かれたで、寂しい。
消太くんと想いが通じ合って我儘になってしまったのだろうか。



私、もっと触れていたい。


無意識に消太くんに手を伸ばしていた。



消太くんは少し驚いた表情をしてから、また優しく微笑んでその手を取ってくれた。



グイッと手を引かれ、
消太くんの上に倒れ込むと
そのまま唇を塞がれた。



「……やっと俺のもんになった。」



そこからはもう思考が回らず
ひたすら消太くんからの熱い口付けを必死に受け入れることしか出来なかった。



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