第2章 雨と雲
休み時間に次の授業の準備をして
窓の外を見ると雨が降り出していた。
「うわぁ〜、傘持ってきてねぇよ」
同じように外を見た男子から
そんな声があがった。
「白雲!!!!ちょっと来い!!!」
もうすぐ授業が始まるというのに
担任の先生から呼び出された。
焦っている様子だ。
廊下に出ると少し声を抑えた先生に
肩を掴まれ、
「落ち着いて聞いてくれ。
白雲のお兄さんがインターン中に事故あった。」
「…え」
ザワザワと嫌な予感が膨らんでいく。
身体から急に血の気が引いた。
「とにかく、送っていく
車を回してくるから玄関で待ってろ」
先生はそう言うと走っていった。
お兄ちゃんが事故…?
先生の雰囲気からして軽傷ではなさそうだ…。
とにかくすぐ病院へ…
私は帰り支度もせず授業の準備もそのままに玄関へと走り出した。