第2章 雨と雲
「振られるんだ…」
「なんでそうなるんだよ」
ダイニングテーブルで頭を抱えていると
お兄ちゃんが向かいに座って呆れ顔で頬杖をついた。
お兄ちゃんを責めたくはないが
こうなったのは半分お兄ちゃんのせいでもある
せめて慰めるくらいしてくれてもいいと思っている。
なのにお兄ちゃんはカラカラと笑っている。
随分と楽しそうですね。妹は絶望しているのに。
「ショータもついに覚悟決めたか〜。
しかしインターン終わってからってところがショータらしいよな。」
お兄ちゃんの独り言も耳に入ってこない。
考えても仕方ない…早く寝よう…
「霞、ショータの話がどんなのであろうと
お前はお前の思ってることを伝えればいいと思うぞ!後悔だけはすんなよ!」
「お兄ちゃん…」
「お前なら大丈夫。頑張れ、霞!」
ニカッと笑って親指を立てた。
私は小さい頃からこのお兄ちゃんの笑った顔を助けてもらってきた。
「ありがとう、お兄ちゃん」
私も笑顔を返す。
どんな話でも思っている事を伝える。
後悔はしない。私も消太くんに気持ちを伝える。
そう、決めた。
決めたのに。