第34章 踏み出す一歩
「強い脳無を作るのに、条件などがあるんでしょうかね……。
自分で言うのもなんですが、そこまで強個性な訳でもないですし、基準がよくわかりませんね。」
「……とりあえずは、九州に現れた脳無を調べて見る他なさそうじゃの。」
「荼毘は死柄木の指示ではないと言っていました、おそらく私に接触するよう指示したのは氏子と呼ばれた脳無を製造している者でしょう……。
荼毘はもう要らないって言ってたから、私が再度狙われる可能性は低いですが……
グラントリノ、塚内さん。
いつでも私を囮に使ってください。」
「そんな事したら、雄英の生徒たちや同僚の先生、クラウディアのご家族にも合わせる顔がなくなってしまうよ……。」
「これ以上、被害者を増やさない為にも……私が囮になって奴らの居場所が特定できるのであれば、それが一番みんなの為です。
……実はお二人がここに来られる前にウマアイコーポレーションの方にとある依頼を出しました。」
「……とある依頼?」
塚内さんとグラントリノが首を傾げた。
「はい。
身体に埋め込めるGPSを作ってもらっています。
万が一の時に少しでも役に立てるように。
完成し次第、発信機をお渡しします。」
「……クラウディア。」
「できれば、この事は内密にお願いしたいです。
私の周り、過保護で優しい人が多いんです。
もちろん、万が一の策ですから!
いざまた連合と対峙したら全力で捕らえにかかりますけどね!!」